飛行船の旅/オズ
手作りの飛行船に乗って
大陸の端っこから
ひとり こっそりと
大空へ飛び出して約1ヶ月になる
着陸する方法はとっくに忘れた
水は飲み尽きて空っぽ
食料もあとわずか
君が出発の朝にくれた
そばまんじゅう1つしかない
着陸する方法を思い出しながら
日課となったラジオ体操をする
風が穏やかな朝だ
今はどの辺りを飛んでいるのだろう
ランゲルハンス島のあたりかな、と思ってみる
ふと振り向くと
渡り鳥が僕のそばまんじゅうを狙っている
今日も大空での1日が始まった
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