経済/柴田柴助
 
『経済』
 
私のため
ひとつ法律を
さらり書き上げる
揺れるカーテンから
隣近所の花壇の香り
風と共に
 
ふたつ階段を
のぼってくるり
振り返っても私はいない
 
人をなくして国家あらず
 
私のための
経世済民
 
みっつ定めて
ようやく戦争
 
いまこそ私の
経世済民
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