fallen/三架月 眞名子
てくれないの?
塵を風に還すような簡単な決断を
どうして下してくれないの?
答えを先延ばすための愛の言葉はもう聞き飽きた
それでアタシは本当に愛されているの?
疑問符ばかりがむくむくと膨れ上がり
バランスを失った身体は
落下を拒めない
どこまでも深く
なによりも冷たく
空っぽの両手は虚しく空を切る
嗚呼
朝日はいつ顔を曝す?
暴力的な睡魔は
いつアタシの意識を奪ってくれる?
もうじゅうぶんだ
もうじゅうぶん彷徨ったじゃないか
そろそろまどろみに埋もれたい
アタシが欲するのは温かなミルクとベッド
それ以上は望まないから
今は望まないから
彼女は歌う
朝が来ない窓辺を求めている、と
そんな無責任なこと
嘘でも聞きたくなかった
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