ひとりぼっちに、ならないように/たりぽん(大理 奔)
 
鳴き声は忘れていくかもしれない
切なさや ぬくもりや 怒りを
深く、ぼんやりと産み落として


僕たちは鳴くことを知っている
誰もが鳴きながらいきていく
足の先からからだじゅうを、こえにかえながら
どこまでも届いて、きおくでも、きろくでもなく

ずっと、ずっと、こえを交わして
おたがいに、うまれあいながら
いま、あふれだす

いきているあなたから、こえ。
いきているわたしから、こえ。

続いていく
紡いでいく
ひとつづき
ひとりぼっちに
ならないように




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