カフェテリアにて/柴田柴助
シャンゼリゼ通り
喫煙席の私
苦いコーヒーをすすって
軽くビリリと火傷
傾きかけた太陽と
背後に迫る月と
バランスを保つ地球
フーと煙を吐き
流れたそれは コーヒーと混ざり
刹那 鼻を痛くする
迷い猫が一匹
足元に身体を甘え
寂しいよと その瞳
映った私
刹那 目を痛くする
灰まみれの肺に
刹那 心
刹那 胸
違いはない
刹那 すべて 痛くする
喫煙席の私
半分になったタバコとコーヒー
おおシャンゼリゼ
私の歌も
痛く 歌、委託する
シャンゼリゼ通り
白い月が
また、近付いた
戻る 編 削 Point(2)