「 春からぼくは、 」/PULL.
 

びっくりするぐらい、
とてもきれいな、
ひとだった。






九。



今朝からずーーーっと、
先輩がぼくに冷たい。
夕べ総統とふたりで飲んだのが、
気に入らないのだ。


「どうして一言、
 先輩も誘ってみませんかって、
 総統に言わなかったのよ。
 もうあんたって、
 ホント気が利かないんだから。」
「言いましたよ。
 でも総統が、
 今夜は男同士で飲もうって、
 どうしてもって…。」
「そ・こ・を、
 なんとか言いくるめるのが、
 下っ端のあんたの役目でしょ!。」
「すみません。」
「もういいわよ。
 それで、

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