春の距離/
Rin.
も折れない枝垂桜の糸
いつも眩しそうに空を仰いでいる
昼下がりの文字盤
わずかに冷たさが残っていても、
全身で感じたい風
花をさらってしまう心
あなたは、春に似ている
振り向いたあなたが
また歩き始めて
わたしもまた、歩き始める
あなたが幹のかげをかわしたように
あなたのかげを踏まないように
かわしながら
太陽が傾いた分だけ
さっきよりすこし
離れたところを歩き始める
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