電気の無い世界で/はじめ
地球の人々は夜6時に起きて朝6時に眠る それに背く者は刑務所に入れられる
世界の王様が考え出した新しい掟だ
どうしてそんな掟を作ったのかというと 王様が夜が好きなのと 生まれつき夜行性である為だ
その掟によって地球上の市民の生活は滅茶苦茶になった
学校も夜の8時半から始まるようになったし 通勤ラッシュもそのぐらいから始まって夜明け前に終わるようになったし 人々は太陽の光に当たることはなくなった しかしただ昼と夜が逆転しただけだったので混乱はすぐに収まった
悪いことばかりではなかった 人々は必ずといってもいいほど 星空を見るようになったし月と向き合えるようになった 暗闇と親し
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