僕はサーカスのピエロ/はじめ
 
 下肢の無い僕はサーカスのピエロになりたくて 物心ついた時から 毎日車椅子を動かせて街に出て大道芸人の先輩の隣で滑稽なメーキャップとお母さんが作ってくれた服装でパフォーマンスの練習をしている
 車椅子の上でビーンバッグやクラブでジャグリングをやり カスケードやファウンテンやシャワーやジャグラーズ・テニスやアーチやクロウキャッチやミルズメスやエリックス・エクステンションやフラッシュやピルエットをたっぷり時間をかけて披露する
 僕はジャグリングの全てをマスターした
 これも下肢が無いお陰だ
 僕の両手は魔法の両手と呼ばれている
 けど先輩は本物のナイフを使っている
 臆病で未熟な僕にはとて
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