男になりきれない、女になりきれない、手紙。【夜のみち。】/西瓜すいか
と言った。
彼の絵は魅力的だったが、稚拙な部分も多かった。
それがなぜ設定資料などを?という疑問を抱いたが、
彼曰く、
「知人が会社にいるんだ」
とのことだった。
私は彼を信じた。
そのゲームは、学校で犯される少女たちの話だった。
犯される少女。制服。幼い。黒い髪。自信のない瞳。
イラストに描かれた少女は、わたしが日々粘膜をかき回していた女に似ていた。
わたしは教室に、彼を呼び止めた。
「どうしたの?」
2人きりの教室。何も知らずに彼は問う。
うろたえているのがわたしにもわかる。
女を知らないということ。男になりたがっている少年だということが、す
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