東北自動車道南下/チアーヌ
った時期もあったのだ
再び高速へ出ると
もう薄暗くて
前を走る車たちの
テールランプが
美しい
夫は大人しく100キロ前後で
走行することにしたようだ
そりゃそうだろう
車の中で騒ぎ疲れて
眠ってしまった子供たちに
布団をかけてやる
酔い止めの薬が効き始めて
ぼんやりした体をシートに凭れさせ
わたしは窓の外を眺める
いろんなひとと
こんな風景を見たなと思う
ごくふつうの
ポップソングが流れる中
赤いテールランプと
霞みのかかった星空
ラブホテルの
どぎつい看板群
丘の上に建つ
住宅団地
パチンコ屋の派手な
ネオンサイン
暗い山々
そして
それが自分の
気のせいなのか
そうじゃないのか
よくわからなくなる
ところで
わたしは首都高が大好きだ
川口から
やっと首都高に乗れると
思ったら
外環道で帰るんだって
ちぇ
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