連作「歌う川」より その1/岡部淳太郎
 
までも古い
旋律である
彼は歌う
歌うことは
宇宙に寄り添うことだから



星の川・川の星
{引用=
いまや
川は山を降りて 大胆な
平地を
悠然と流れ始めている
当然のことながら
そこには歌がある
せせらぎという名の
誰も歌うことの出来ない
歌がある
当然のことながら
祈る人が 川に沿って歩いている
隕石はまだ来ない
だが彼は 川を見下ろすと同時に
空をも見上げている

そして夜
祈る人はいつものように川べりで 休む
どこかの淋しい家では
心ある人が 昼間はそれとは気づかなかったのに
夜になってやっと
この大地も地球という名のもうひ
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