夕凪の/
山中 烏流
寂しんだ手から
夕凪の薫りがして
少し切ない
飛び交う何かに向かって
感情を吐き散らす
ねぇ
空の向こうって
何だか知ってる?
触れた毛先から
爪先までとは
良く言うけれど
僕は何より
あの
夕凪の薫りが
好きだ
一秒毎に
進む荒廃を眺め
君だけは
せめて、君だけはと
自己中を発揮する
ねぇ
空の向こうって
何があるか、知ってる?
抱き締めた時
零れ落ちたのは
感情にもよく似た
あの
夕凪の薫りは
まだ
僕を酔わせている
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