白山羊さんからの手紙/はじめ
 
こうと思います。この度はどうもお騒がせしてすみませんでした。それでは」
 その後は何の変哲もない平穏な日々が過ぎていった ただ僕は君が書いた詩に心を奪われていて 丸暗記してしまっていたので紙に清書して毎日それを眺めていた この詩を書いた君はどんな女性なんだろう そんなことばっかり考えていて夢にまで顔の無い君が毎夜現れたりした そして僕も少しずつであるけれど 詩をまた書き始めた
 ところがある日 君から今度は正式に僕宛に手紙がやって来て ここにはこう書いてあった
 「お久し振りです。突然手紙なんか寄越してしまい大変申し訳ございません。私の詩を読んで深く感動して下さった貴方だからこそ、どうしても
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