白山羊さんからの手紙/はじめ
間違って配達されたのが原因だけど君から手紙が届いたのが始まりだよ 手紙の最後に君が好きな人宛に書いた詩が載っていたよ とても感動したよ
僕は他人宛の手紙だと知りつつも何百回も詩を読み返したよ そして熱い 掌で包み込めるような光を放った想いに涙を流したよ 何リットルも何リットルも
手紙は涙でぐちゃぐちゃになったよ 気が付いた時にはインクで書かれた文字は滲み過ぎて見えなくなったよ
僕はその時詩を書くことに意味を無くしていたから なんて言うのかな なおさら読み返してしまったんだ
僕はその手紙を郵便局に持っていった そして「間違って読んでしまって 感動し過ぎて涙でぐちゃぐちゃになってしま
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