お題/昼食のメニュー/茜井ことは
言葉をその形のまま
受け取れない僕は
苦しむことがない一方で
君と同じくらいには
生きにくさを感じていたりするんだよ
そういえばいつか
「医者は美味しい物ばかり取り上げていく」と
目玉焼きに醤油の海を作りながら
僕のおじいちゃんが、こぼしていた
それを一緒に笑いながら
見つめるだけだった僕は
その醤油の一滴一滴が
毒薬ではなければ
今すぐおじいちゃんの命を奪うものでもないと
知っていたのに
本当は、不安で、
ねぇ、君
どうして自由なんてのはいきなり
束になって転がり込んでくるんだろうね
人間っていうのはさ
本人でさえ分からないような些
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