それはあしおとを鳴らして/ねろ
 
鼠が足音消して眠りだす頃
内緒話は夜から始まる
昼から逃げた月がおびえている
おびき寄せられた踵と爪先は
捕まえられた唇のふるえる音を
聞いている

両目の瞬きをする瞬間に
広がり始めた血がかすんで
青くなってゆくのを見てはじめて
いかれたのだと気付く
真冬はもう通りすぎたよ
蛇口から落ちる水の冷たさを
うれしく思う日にやってくる

真っ赤なメリークリスマス

真っ赤なメリークリスマス

雪の溶けた跡の街は
灰色に深呼吸して君の
足音を待っている
空気を模写する男の子
が地面を這いずり回って
だんだんと温まりながら
黒いコートからよだれを
たらし
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