蜃気楼の彼方/アマル・シャタカ
 


不完全だからこそ二人して生きていくのだということを
太陽と月は教えてくれていたのに
光だけの世界とか闇だけの世界とか
僕達はそれぞれの言い分だけに埋没する
一人が嫌だといいながら我欲に固執し
愛する人を忘れてしまう
忘れるたびに悲しんでは
本当の人をとさまよい歩く
君が流した涙の跡を一人静かに辿る
あの日二人が求めたものが一体何であったのか
忘却の砂に埋もれながらも
蜃気楼に誘われるまま僕は

戻る   Point(9)