「 蠢く土。 」/PULL.
った。
わたしは、
覚えたばかりの重機を使い、
穴を掘った。
大きく深く穴を掘った。
そこに彼らをひとりずつ突き落とし、
上から石灰を撒いた。
石灰に灼かれた彼らは、
激しく悶え踊り狂うので、
わたしは鼻歌を歌い、
上からさらに、
石灰を撒く。
やがて土を掛けると、
彼らは悦ぶ。
悦びのあまり涙を流し、
目を石灰に灼かれ、
彼らは踊り狂い、
よろこび、
悦ぶ。
埋めた後の土からは湯気が昇り、
蠢いている。
わたしは、
それを最期まで見届けて、
わたしの家に帰る。
玄関では娘がわたしを出迎え、
上がったばかりの小学校でのことを、
あれやこれやと話す
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