1980年12月9日生まれの彼女/リヅ
つまでも続くような気がするけど
僕らには帰る部屋がある
涙腺はちゃんと正常に乾いてるから
僕らに話し合うべきことはない
雨の日の窓辺も月の出ない夜も
ここからはずっと遠くて
春の日の光が
彼女の薄い耳を透かして
小さな金色のピアスを輝かせるのが
彼女の細い足首を白く縁取るのが
美しくて大好き
だけどそれを口にすると
彼女はもう何度も聞いたよって曖昧に笑う
僕らには話し合うべきことがない
一つ一つの質問が彼女を裸にしていく
あといくつ残ってるんだろう
僕らは上手くいってるって言えるかな
Imagine
想像してごらん
彼女がもう一日早く生まれてれば
もっといろんな歌を歌えたかもしれないけど
きっとそれだけ
曖昧に笑うだけ
僕の想像力はここまで
服を全部脱いだらすることはただ一つ
事が終わった後
天井の染みを目でなぞりながら
裸のまんまじゃ散歩できないねって
ようやく言葉を紡いだら
彼女はまた曖昧に笑った
僕らに話し合うことなどなかった
もうキスしかできない
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