眠れぬ夜/憂
と 世界を語るには調度いい
振り上げられた手は 頬を叩いて
嘲られた笑いは 真っ直ぐに向けられて
存在を否定するのなら何故 産んだ?
最後には裏切るのなら何故 初めは笑いかけた?
震えながら呟いた少女の声は 雑音だらけの街に消えていく
自分の居場所を失った少女の声
僕は愛おしい声だと思った
僕は、その声を忘れない
真っ暗な夜 少女は少しでも上を向けただろうか
真っ暗な夜 灯りが恋しくなったなら
造り上げられた街のネオンよりも キミを見つめている夜空の月を見上げてごらん
眠れぬ夜は 僕と語ろう
この醜くて 酷く美しい 世界について
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