蒸発/茉莉香
ひりひりとした皮膚の隙間から
言葉や感情が飛び出していく
熱を帯びた体はなすすべもなく
意識の遠のきかけた瞬間にまた
大事にしていた言葉一欠 飛んでいった
空に溶けていった私の感情どうなるの
散らばった無数の言葉星となり
永遠に輝いているのならば
蒸発もやむをえないのかしら
ほんの一握りの砂のような
希望を見出していた矢先
現実を見てしまった私は
またしゅわっという音と共に
蒸発していく感情を
無表情のままみつめる
嘆く気持ちにもなれない
ただ 楽になればいいと思いながら
戻る 編 削 Point(6)