どうせ私をだますなら/山田せばすちゃん
 
の情動を引き起こすことの一部だと考えていて、しかも情動を引き起こすのは総力戦(つまりなんでもあり)だと思っているので、作中主体が作品によって立場を変えることも、作者自身が何らかの役割を詐称するのも、みんなみんな「あり」だと信じている。だまされた奴が悪いのだ。つかだますところまで君の情動を突き動かした俺の手腕を褒めやがれとか、そういうことも嘯いてみたくもある。

人様の書いたものを読ませていただくときにも、できれば俺は上手にだまされたいとは思うし、だまされることで俺が何らかの情動を引き起こすのだとしたらそれ自体が読書の快楽だと思っている。

だから御願いだから、嘘をつくなら最後まで上手についてくれ。敬愛する中島みゆきの歌のタイトルではないがどうか「永遠の嘘」をついてくれ。
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