海を見る。/新谷みふゆ
石や・・・
新しくできた足跡を辿り
背中の風に遠い目をして
淋しさは夜光虫 夜のあちこちを細い爪で
引っ掻いては消えていくだけさ
きみの描いていた夢は何処で終わってしまったの
人は何処で終わりになるの
ひからびた情熱が笑う
小鳥の体はまだ温かなぬくもりを宿し
夕暮れの空が赤く輝く
目隠しされて口を閉じた街
星が流れるまでに 途切れたものを繋ぎ合わせよう
感じるのは苦しくなるような気持ち
胸を突かれて初めて解った
なくしたものを抱くように きみは深く息をした
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