ふたり/はじめ
夜はこんなにも静かだ
僕の知っている人達はみんないない
もっと言えばこの天球の世界に人間はいない気がする
宇宙は球体なのだ
僕は外に出ていつもの草むらで倒れ込んで星を眺める
プラネタリウムよりも綺麗な夜空だ
プラネタリウムに入る鍵を持ったまま死んだのは君だ
だからプラネタリウムの中に入れない
けどこの夜空が僕の心を清らかにしてくれる
季節は春 僕はコンパスを取り出して北側に頭を向ける
北からこぐま座 おおぐま座 うしかい座 しし座 おとめ座だ
彼らは銀河系全体の平和を詠っている
時々動いて 死んだ衛星や星などを食べて生きている
星座を眺めている
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