心から命へ/渡辺亘
 
れだけだ
私を支えたのは

そのために私は
パンをかじった
肉も喰った
私は自身の命をながらえるために
他の命さえうばうことをしたのだ
これは生きるということの
宿命なんだ
だから
心を
大切に
しないと
生きていけないのだ
今日星をみて心うごかされるのも
他の命をもらえたから
明日朝日が見られるのも
他の命をもらえたから
その事実に目を背けて
なにが感動か
豚肉を食べるとき
狭い家畜小屋で
悲鳴を上げている
豚の気持ちになったことはあるか

私は感謝して
この命を全うする
生きて生きて生き抜く
一瞬ともいえる人生を
大切にする
だから
生命が他の生命のために
奉仕することがなんと尊いか
漆黒の暗闇に
太陽が昇ったようではないか
命は関連しあい
時の流れに逆らうことなく
さまざまな華を咲かせ
永遠の旋律とともに
果てしなく広がっていく

戻る   Point(4)