石神井日誌/馬野ミキ
 
を延々と繰り返す。
妻がテレビのスイッチを入れる
娘は布団のなかで固まっている
そうして二人は黙ったまんま笑っていいともの増刊号を見る。
妻が窓にへばりついて結露を飲んでいるので静かに抱き寄せる
顔を近づけると妻は目をそらし俺の顔を手で押しのけたが
押しのけたその手のひらの頬への感触が
まるで子どもがいやいやするみたいにかわいかったので抱いた
妻が手をぐーにしたのでそれを包むように握る
インターホンが鳴った
ベビーバスが届いた。



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