なあ、おい!/猫八百
 
かつてここには。
かわなめしがすんでいたという。
やぼようのときだけあしばやに。
よそものたちがとおりすがり。

うすぎたないしゅうきょうとほこりにまみれたまち。
ごうごうとうなりをたて。
おそくなってもけいこうとうとけはいのする。

きのとおくなるたそがれ。

ふと。
むこうからこども。
なんだいめかのおふるをきて。

みてごらんよ。
なみだをうかべてあるく。
しゃくりあげたいのをぐっとこらえつつ。

なみだかあるなら。
ひかりもあろう。
いきているいきているいきているじゃないか。

なあ、おい!









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