独りご飯/暗闇れもん
 
一人でご飯を食べていたんだよ

それは仕方のないことだった
わたしの家は特殊で複雑なので
他人からは簡単で残酷に思えることが
仕方の無いという言葉で片付いてしまう

祖母は一人でご飯を食べていた

近所の人は何も知らないから
ごく普通にわたしたちを鬼を見るような目で見てくる
時には怒りもする

ねぇこっちにきてわたしたちと一緒に染まろうよ
この悲しい現実に

最近祖母が一人で倒れていたのが発見されたので
父が一緒にご飯を食べることになった

もっとはやくにそうすればよかったって
そう簡単な偽善で解決はしないの

寂しい話を聞くとそれが体に沈み込んで
もうどこにも飛べなくなる

色んな人が祖母を愛しているのに

まさか哀れみだけでしょう


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