スミスという犬/
tibet
のはイヤだよ。
私はあなたを見送るのが務めでしょう。
夜にはどうにかろうそくを一本ともして、
いつものテレビを観るでしょう。
たまにはタバコに火をつけて、
懐かしい匂いも嗅ぐでしょう。
ごめんね。お前。
あまり家に帰らなかったから寂しかったね。
夜になったらまた会えるでしょう。
それなら庭の芝生も、裏の小川もフリズビーも、
草花の匂いも、あなたの嫌いな小さな虫も、
走って、飛びかかって、追いかけて、
全部あなたと私の物でしょう。
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