ひとつ こぼれて/木立 悟
 



片目をつむり
寒くなり
あたりの粉が
見えてくるとき


こだま
いたわり
うつわ
さかさま


ひとつの穂の手に
ふりそそぐとき


ほどかれつづける水の絵巻を
影より疾く走り去る子ら
道おおうものに隠された
うたの行方を追いかけてゆく










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