「春」 (青年詩片)/ベンジャミン
 


ゆきゆきて花びら落つ
されど
世はさむざむと語るも虚し

日差しさやかなることを願い
枝先に残るつぼみに
その時を問う

また一片の行方を見やれば
地を春色に染め
伏してなお空を見上げている

続けとばかりに
私は花びらと舞いながら
くるりくるりと

コートを脱いで
上着を脱いで

上気する私の頬に
ひらり私を春色に染めて
立ち止まり空を見やれば

春を語らい鳥が行く


     
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