目撃者の真昼/モーヌ。
 
計が 時を 打つ

きみの ことで 部屋 いっぱいに

息を する エコーの 肉体は

あの 小声へと 澄んで ゆく

田園の 悠久を 描いた タブローの 隅で

ほほえみも なしに 話も しない

呼吸の とだえた 日々 ある日

口笛の メロディーを もどすように 綴り

さわめく 林野を 透過する とき

その うえに

在るのなら たましいで なければ

触れえなかった 静けさの うずまきを

旋律が 流れて 唄へ と 溶けて ゆきます

発声へ とぎれる ゆくえを 転身します

唄も なく

ひとが いなければ

石でも 木でも 花でも 鳥でも 抱きしめたく

不実として 過ぎゆくしかない

病んだ 街の ような

きみに なかった ものの 鋳型に なろうと

たましいに しか わからなかった

無言で 感じる しかない 想いを

かたちに かたちに かたちに

なるまで

祈り ながら...













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