ちょっとわかって、ちょっとわからない。/ななひと
い分かる言語で書いて、残りの2〜3割に、ちょっとわからない要素を残しておく。すると人は分かる部分を元に、解読を始める。「一体この人は何が言いたいんだろう」そして発見する。「あ、なるほど!」「お、すごい!」。読者は、わからない部分を自分で発見、補填して、その人の詩にすごさを感じ、自分自身の感性に新しい要素を取り込むのである。そのバランス感覚、言語感覚に優れた人が、優れた詩人になりうる。これは至極当然のことである。
こういうことをかくと、私は、そういう詩を書くことをけなしていると思うかもしれない。そうではない。私もそういう詩が書きたいし、そういう詩を書くためには、苦労、才能があり、そうした詩人の「新しい」詩を読むと感動する。
しかしだ。最後に全部ひっくり返すが、詩は「わかる」「わからない」で判定できるものなのか。「わかる」とは一体なにをもって「わかる」のか。そんなことは全く「わからない」のである。
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