エスケープ/nm6
そんなもんはすべて、知らないフリだ。
そんなもんは。だ。
左から右へ焦燥をフェードしてつきぬけるのは、たとえば車が走っていって、硬質さが強がりをほんのひととき掠め取るのは、たとえばガラスがぶつかり合う。ちっぽけなひとつひとつは、かけらだ。ぼくらはアタマの中を、何かに捕らわれない。そんなもんは、恵まれてる、と、つきぬけて、ひっくるめて、
( )、
で、エスケープ。
永遠に鳴り止まないブーンとかキーンとかいう音が、増幅してあたたかく光る。
昨日は遠い。
ざわめくならば、閉じていい。
そう、言い換えてもいい。分からないことだら
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)