静けさの中の幸福/はじめ
がら 僕のことを暖かく見守っている
世界の端から落下した僕は 宇宙の底にゆっくりと倒れる
そこには何もない ひんやりとした地面が僕の体温を奪っていくだけだ
でも君がいる 数億年前の無意識の海水は僕を濡らして目を覚まさせ 下に水溜まりを作った
無数にある水溜まり その中心に君は立っている
やがてそれらはくっついて一つになった 所々に星の死骸や肉片が沈み輝いている
僕と君は出会った しんとした静けさの中に幸福を見つける
僕は君を抱き締める 宇宙は丸くなり僕達を包んだ
海水が満杯になるのも時間の問題だ 誰かが宇宙に穴を開けなければ僕達は生きていけない
僕達は胸まで海水に浸かりながらその行方を見守っていた たとえ死のうとも離れることはないことは分かっていた
僕はふっと目を覚ました 静けさは元に戻り 幻聴が聞こえそうな気がした
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