ジェントルメンの憂鬱/猫のひたい撫でるたま子
 
生気を吸い取る青い布団というものが、
東京から一時間のあるアパートの一室に存在する。

大抵そこに住むのは働かない小説家で、ジェントルメンだ。
ジェントルメンとは、慎ましく、積極的でなく、淫靡で、リズミカルだ。

ウィスキーを飲み干したあとのグラスには記憶が残る。

一つのグラスで何杯のウィスキーが人の口に運ばれるだろう。



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