夏の日/ロリータ℃。
あの夏の日
あたしは石の階段を登ってた
小さな足で勇ましく。
ぎゅうっと詰まった石の間に
黄緑色の草が生えてて
踏まないように急いで登った
ひやりとした木の感触
あのときあたしは神社にもたれた
行き場のないような気持ちの中で
精一杯生きてるような気がしていたよ
あの夏の日
笑うママの顔に
泣いた痕は見当たらなくて
あたしはそれが嬉しくて
少しだけ哀しかった
取り残されたパパの気持ちを
あの時あたしは考えたりもしなかった
そうでもしなくちゃ
浄化は望めない気がしていたの
濃い影ができる
神社の下で
振り返れば辿った軌跡
哀れな人はも
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