時の滴り(三)/
信天翁
ひなびた風景写真そっくりな郊外は
春分の昼下がり
ウラノスが四次元を統率してる故か
杖を引きずる猫背のかげも
かげを飲み干す埃っぽい雑木林も
いまだにしぶとい北風に媚を売る
プロムナードのベンチに腰掛け
あゝ どこ迄も澄みきって遠のいている
銀河系に向って
わたしは行き場をうしなった
こころのエナジーを取り戻そうとすれば
逆に 失わなかったものを
失うこととなるにちがいない
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