ケンちゃんはカエルに似ている/木棚環樹
 
いるほうが楽しいのだ。大島先生に、

「ケンちゃんのことをよろしく。」

と言われなかったら、、ケンちゃんのことなど忘れて、外で遊んでいるに違いない。そのことをケンちゃんも分かっているので、裕二くんに対して、申し訳なく思っていたりもする。

ケンちゃんが外で遊べないのは、生まれつき体が小さくて弱いからだ。誰かが用心して見てないと、踏みつぶされて死んでしまうし、一度、運動場で迷子になったこともある。その時は、先生に言われて、クラス全員で、ケンちゃんを探しまわった。ケンちゃんは一人で教室に戻れないのだ。結局、ケンちゃんのおもり役が裕二くんになって、裕二くんが遊べなくなるので、ケンちゃんも外
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