一日も終わり/tibet
ここの夕日はきれいだなってよく思う。
けれども東京の夕日だってきっときれいだったんだろうなとも思う。
高いビルやたくさんの電線のせいにして空をあまり見なかったのかなと思う。
人里離れて人恋しくなり、タヌキやキツネに化かされる。
「あの夕日はさ、どっかの朝日なんだ。」と隣の人が言った。
私は「あの夕日と私たちの間にいる猫は黒猫に見えるけど実は違うかも知れないんだ。」と言った。
「影ですか。」
「そうかも知れないってこと。・・・そう言うあなたはタヌキでしょ。」
「ははは、ばれましたか。でもキツネなんですよ。コンコンコン。」
「コンクリートと芝生の割合は半々といった
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