吾輩は病人である。病名はまだない。/ななひと
。血尿が出るということで、結石の可能性を疑われ、泌尿器科へ。すると、造影剤を入れてレントゲン、CTを取られ、「結石の跡があります」と言われることになる。「跡」ということはもう石は出たはずだ。確かにその後数日楽になった。しかし、ほぼ一週間後、再び激痛が走る。もう一度レントゲン、CTを取る。何も見つからない。血尿は止まる。しかし痛みは止まらない。痛くて痛くてたまらない。これはもう「痛み」という言葉では表現できないくらい痛い。萩原朔太郎の哀れな「狂水病者」の心境だ。とにかく「痛い、痛い」と言い続けるが、わかってもらえない。医者は異常はないという。他の医者にかかる。やはり異常はない。椎間板ヘルニアの疑いを
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