吾輩は病人である。病名はまだない。/ななひと
 
くした、とか、車で事故って薬がつぶれた、とか言い出して、なんとか薬を手に入れようとするのである。さすがに医者も、これは中毒だと気づく。そして一切薬を出さない。その代わりに睡眠薬を出す。とにかく寝ろと。今になってみれば、そういう医者の対応は正しかったと思うが、そのときは薬がほしくて仕方がない。医者を恨みながらぶるぶる震える。完全にジャンキーである。
だいぶん経って、「うつ病は治すもんじゃない、つきあうもんだ」という心境に至った。コントロールして、なんとかして、生きていくしかない。
そして今、第三の病気にかかっている。このいい方は正確ではない。その病気には名前がないからだ。去年の七月頃から背中が急
[次のページ]
戻る   Point(2)