私の詩作作法/六崎杏介
 
現時点にあっては、私の詩は二つの時期に立っている。
一つは、一年〜二年前、睡眠薬等の酩酊にまかせて書いていた時期だ。
その際重要であったのは、音と文字と、惹起するイメージの融和が肝要だった。それらは同一のラインに在った。それは、まだ耐性の無い脳が、溶けて適切なコントロールをしていたのだろう。精神面では緊張と弛緩が支配的であった。無題がその時期の顕著な例だと思う。又、その時期は通っていた芸術大学を退学した時期でもあるので、立体作品に応用出来る様な書き方もしていた。その頃の心の師は向井秀徳氏である。そして今。薬は酩酊を約束してはくれなくなった。そして言語遊戯に傾倒する契機として現在の心の師、未生響
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