君を失った世界/はじめ
 
り返し聴いて涙する
 君とよく苦しい現実と重ね合わせて聴いたね
 外で激しく吹雪いている
 スーパーの近くにあるボロ屋
 二人で洗面器を抱えて銭湯に行ったね
 今はもうその銭湯は潰れて無い
 僕はスーパーの社員までになった
 一緒に働いていた君のロッカーはまだ残っている
 新しくできた銭湯の帰り道 アンダーパスの上で濡れた髪を風に吹かれながらビールを飲む
 空には君が描いた星座が浮かんでいる
 来年の春 君と僕の詩集を出版する予定だ
 桜散る木の下で 君が笑っているのが見える
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