君/はじめ
だ。君は、永遠を手に入れることができる」 君は彼女の姿に変わった 辺りは暗くなり 夜空が現れた 満天の星空だ
「あなたにこの姿で会うことができて良かった…あなたの記憶が私を呼び起こしたのね。とっても新鮮な気分。でもこの姿でいられるのは僅かでしかないわ。あなたが私のことでもう苦しまないように最後にこの姿になって私の記憶を消すの。そうすればもう苦しむことはないでしょう? だから、最後に私に言いたいことはある?」
僕は大粒の涙を流しながら言った
「君を愛せてよかった…」
君はうん と頷き にっこり笑ってこう言った 「さようなら」
僕も嗚咽を漏らしながら言った 「…さようなら」
君の姿はだんだんと薄れていき ついには消えていった
僕はどうして泣いているのか理由が分からなかった
海の遙か向こうで 漁船の光が光っていた
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