無題のはず/Taka★Hajime
 
ボクにしてみれば其れはタダの絵に見えた
出口も入り口も見えない

こんな部屋がどこかにある
でも窓を開けばそこはキレイな景色が見える

生い茂りながらも整理された緑の自然
疎らと見えるビルと家屋は赤い日差しを遮り
ささやかな微風がそこを吹き抜けてゆく。

人々は一人では歩かず誰もが誰かと歩いている
活気溢れるこの景色


けど、僕はココから出ることはない

この部屋には何も無い
ただ、ベッドと窓一つがあるだけの殺風景
窓の向こうは色取り取り、
でも、ここは
コンクリートの灰色と
日が作り出すオレンジの光と、それからできる浅黒さ
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