追伸/ささやま ひろ
 
大講義室で机に突っ伏し熟睡
ようやく目覚めてもまだ教授は話をしている
大学の講義はやたらと長い

君はすこし呆れ顔で
顔に寝あとついてるわよって
解読不能な文字が並ぶ僕のノートに走り書き

一般教養を学ぶ時間に
昨日の寝不足を取り戻している
バイトだって現実社会の実習みたいなもんだ


学生生活という
社会へのモラトリアムの中で
僕らはどれだけの時間を共に過ごしただろう

高校時代のこと
親のこと
兄妹のこと
季節のこと
バイトのこと
卒論のこと
将来のこと

たくさん話をしたね

男女の間でも
親友
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