魂の啼き声/なかがわひろか
 
魂は啼いている

魂は啼いている

私はその啼き声に耳を澄まし
淹れたての紅茶に舌を焼く

魂は、ふと哂い出す

魂は、ふと哂いだす

私はその哂い声に驚いて
冷めかけた紅茶をテーブルにこぼす

大きな水滴が小さな水滴を飲み込んで
テーブルの上に広がって行く

私はまるでそれの様

私はまるでそれの様

(「魂の啼き声」)
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