「 窓辺の日射し 」 /服部 剛
 
れていた哀しい唄が終わると
時計の秒針の音は響き
長い間 
引き出しの奥にしまっていた 
色褪せた表紙の日記を 
机の上に置く 

( 探していた愛が 
( 闇へと姿を消したあの日 

( 絞り落とした涙で 
( 滲んだいくつかの文字 

机の上に置いた 
色褪せた日記はひらいたまま 

哀しみにそそがれる 
窓辺の日射し 

あの日の涙が乾いた頁(ページ)に 
ひかり 
ふくらんでゆく 







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